総理通訳の外国語勉強法(読書42)

中川浩一

講談社現代新書

外国語を使ってバリバリ仕事をするビジネスマンに向けて書いた仕事で使える外国語のマスターの仕方である。

この著者は外交官で、外交官になってからアラビア語の勉強を始めて、総理大臣の通訳者までなった方です。

アラファト議長の通訳もされており、このアラファト議長パレスチナ独立交渉の場では眼光鋭い戦士で、交渉を一人で背負う誰にも寄せ付けないオーラがあるが、しかしパレスチナ民衆が愛して止まない人を魅了するオーラも混在する人でもあり、長年パレスチナ人を応援してきた日本政府、日本人にはいつも笑顔で感謝の意を述べており、著者は、その意味で、いつもやさしいおじいさんと感じたそうです。

このような歴史上の人物の人柄みたいなものを垣間見れるのは、外交官、通訳者ならではなんだろうなと思いました。

著者が1年間アラビア語をやって徐々にエジプトで新聞を読めるようになると、そこにはアラブ諸国の敵であるイスラエルの悪口ばかりが書かれていることが分かったそうです。私的に、この日本にはない人間臭さが、この本の中で一番面白かった所です。

後、肝心のバリバリ仕事で使える外国語のマスターの仕方ですが、無職の私とかけ離れすぎて、参考になりませんでした。

でも、こういった著者のような優秀な方の頑張りのお陰で、日本は安定的に中東から石油が輸入できてきたんだなと思いました。感謝です。

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