AX (読書36)

伊坂幸太郎

角川書店

 

読み易く、面白い本だった。笑いあり、涙ありで、娯楽な読書として良い小説でした。

主人公の表の顔は、男の子の子供がいる恐妻家のサラリーマン(文具メーカーの営業)で、裏の顔は凄腕の殺し屋であり。そのギャップがこの話の面白さでした。殺しの場面は詳細に書いてないので、バイオレンスなものをあまり感じなく、疲れなくてよかったです。それより恐妻ぶりがおかしくて、何度も声に出して笑いました。

本の題名”AX”は”おの”という意味です。本の中で”蟷螂の斧”という諺が出てくるのだけど、この諺は、”小さなカマキリが前脚を振り上げて大きな車に向かっていくという自分の微弱な力量を顧みずに強敵に反抗すること。はかない抵抗の例え。”という意味で、本の最後でこの諺通りの事が起こるんだけど、切なくて、心温まる話でした。

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