稲盛和夫の実学 経営と会計(48)

稲盛 和夫

日経ビジネス文庫

  会社の経営処理において、原理原則に則って物事の本質を追求して、人間として何が正しいか(幼少期に親や先生から教えてもらった道徳的概念)で判断することがこの方の会計学の基本的な考え方になります。

そして実践的に行っていた経営が以下になります。

①キャッシュベースで経営をする。つまりいくら儲かっていても会社に現金がなければ倒産をしてしまうので、会社に現金がいくら残っているか常に把握をしておく。

②お金と商品の流れを一対一の伝票で対応して把握する。つまり、請求漏れがないように伝票できっちり管理をしておく。

③筋肉質の経営をする。例えば、資産計上される在庫品で価値がないものについても、税金がかかってしまうので、資産計上されないように処分をしておく。また設備投資においても、新品設備が今ある中古品より費用対効果が高くなければ中古品で我慢をするべきである。

④固定費の増加を警戒する。例えば、営業拡大にともない営業の人を増やし人件費が増えたのに伴い、それ以外の人件費等も増加して利益がもっていかれないように注意すべきである。

⑤不動産投資等の投機は行わない。

⑥その時必要な物を必要な時に購入する。割高になったとしても必要量だけ購入する。

 

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