稲盛和夫の実学 経営と会計(48)

稲盛 和夫

日経ビジネス文庫

  会社の経営処理において、原理原則に則って物事の本質を追求して、人間として何が正しいか(幼少期に親や先生から教えてもらった道徳的概念)で判断することがこの方の会計学の基本的な考え方になります。

そして実践的に行っていた経営が以下になります。

①キャッシュベースで経営をする。つまりいくら儲かっていても会社に現金がなければ倒産をしてしまうので、会社に現金がいくら残っているか常に把握をしておく。

②お金と商品の流れを一対一の伝票で対応して把握する。つまり、請求漏れがないように伝票できっちり管理をしておく。

③筋肉質の経営をする。例えば、資産計上される在庫品で価値がないものについても、税金がかかってしまうので、資産計上されないように処分をしておく。また設備投資においても、新品設備が今ある中古品より費用対効果が高くなければ中古品で我慢をするべきである。

④固定費の増加を警戒する。例えば、営業拡大にともない営業の人を増やし人件費が増えたのに伴い、それ以外の人件費等も増加して利益がもっていかれないように注意すべきである。

⑤不動産投資等の投機は行わない。

⑥その時必要な物を必要な時に購入する。割高になったとしても必要量だけ購入する。

 

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知らないと恥をかく世界の大問題11(47)

池上 彰

角川新書

主に、アメリカ、中国、イギリス、中東、そして日本でおこっている問題について書かれている本です。書き口は優しく、読み易いですが、いろいろな国について勉強になりました。

中東問題が詳しく書かれていたので、中東問題を理解するのにとても助かりました。常識なのかもしませんが、エルサレムが何故ユダヤ教キリスト教、そしてイスラム教の聖地なのか、理由が理解できました。池上さんは中東問題が得意なのかもしれません。

国と国とのいざこざは、概ね領土問題のような感じがします。国が奪われて自国の土地がない民族の悲惨さは、歴史を見れば明らかであり、日本も気を付けないといけません。国土の安全と安心は無料ではありません。

少子化で日本の元気ある若者の絶対数が減っているので、北はロシア、南は中国から、国土浸食の可能性があるように感じます。

軍事的とか明らかな威嚇をしつつ、水面下で目立たぬように経済的にやってくるでしょう。どうしよう・・・。

 

 

 

 

 

世界一楽しい決算書の読み方(読書46)

大手町のランダムウォーカー

KADOKAWA

村上世彰の生涯投資家を読んで、財務諸表を読めるようになりたくなったので、購入した本です。人間ドックを受けに行ったとき、待合席でこの本を読んでる人を見たので、売れている本だと思いました。

絵、図などをふんだんに使っており、また説明も平易な文書で書いているので、全く財務諸表が分からなかった私でもなんとなく分かったような気になりました。

この本のお陰で、いつも行っているスーパーの財務諸表をネットで調べて、売上に対しての原価率を知る事ができました。意外に原価率が高い事に少し驚きました。

また、小売り業は売上が大きいけれど、それに比べると営業利益(本業の利益)が小さい事に、中ぐらい驚きました。アマゾンも小売り業にあたるので薄利多売であり、営業利益率がとても低くなっていました。ただ売上額が凄い金額だから、営業利益率が低くても営業利益の金額が大きくなっているようです。

そして、ニトリが利益を毎年出している優良企業って事に大きく驚きました。32期連続で増収増益です。今、島忠にTOBをしかけているけど、毎年積み増しいてきた利益余剰金で投資をする事だと思います。いやー似鳥社長やり手だねー。

もっと財務諸表について知りたくなったので、簿記3級の勉強も始めました。

 

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恋のゴンドラ(読書45)

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東野 圭吾 

実業之日本社

双方の両親への挨拶も済ませた、結婚前の男性が、フィアンセがいる事を秘密にして、合コンで出会った女性と付き合い始めて、スノーボードデートをしていたところ、まさかのフィアンセとゴンドラで乗り合わせてしまう。というのが、この本の出だしです。

それぞれの項ごとに、主人公が変わっていきます。また色々なカップルが登場します。そして、最後の項で、この本の始まりに登場したゴンドラでデートをしていた男性と女性が再会し、絶叫して締めくくりとなります。

サクッと読める楽しい小説でした。

最後に登場するカップルが上手く行きそうで、上手く行かなく終わってしまうのが、意外な所でした。男性にとってはつらい修羅場のような場面が多々出てきます。

 

 

テネット(映画1)

TENET 「主義」

無知を武器にする。

時間を逆行して過去に戻ったあと、そこから目指す未来にたどり着くための手段や方法は分かりません。彼らはただ、逆行する前に行っていなかった事が適切ではなかった事を知っているだけです。

未来を変えるには、過去の行動を変える必要があります。そのための最適解はその場で考えて動く必要があります。そして望んだ結果を出すことが出来れば、その行動は未来から見たときに適切だったことになるのです。

つまり「知らない」ことでそれ以外の選択肢をとる可能性や自分の行動に制約をなくし、新たな未来を築くことができるという考え方が「無知を武器にする」という事です。

 

トイレが近い私にとって、映画を最後まで見ることは「苦しい」ということがよーく分かった。今後映画を見るときは一番端っことか退出し易い席で見る事にしよう。

生涯投資家(読書44)

村上世彰

文藝春秋

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以下が読んで分かった事である。

企業の上場で、市場から資金調達を出来るが、それはいつ誰が自社の株主になるか分からない危険性もある。だから、資金調達の必要性がなく、株主から横やりを入れられたくなかったら、非上場してプライベートカンパニーにすべきである。

企業の健康診断書が有価証券報告書決算短信、財務諸表である。これらを見れば経営者が何を見て、何を目指して経営をしているのかが分かる。

コーポレートガバナンスとは、投資先の企業で健全な経営が行われているか、企業価値を上げる(=株主価値の最大化を目指す)経営がなされているか、株主が企業を監視、監督するための制度である。

投資家として大事な事は、失敗したと気づいた時いかに素早く思い切った損切が出来るか。下がり始めたら売る決断をいかに速やかにできるかという事だ。

資金循環こそが将来のお金を生み出す原動力。資金循環は成長する上で非常に重要だ。要するに企業がその投資資金によって新たな資金を生み出し加速度的に事業を大きくしていくことが出来るかどうか。

上場している会社の株式は誰でも売買できる。上場企業はそのリスクとコストを踏まえた上でそれでも上場する必要がある場合のみ上場を維持すべきだ。

「意義や必要性は分からないが取り合えずステータスとして上場したい。でも自分の嫌いな相手には株を持って欲しくない」は非上場すべきである。

鉄道事業は基本的に赤字にならない仕組みだ。鉄道事業法鉄道営業法という法律の下、必ず利益がでる運賃設定になっている。

「いかに安く仕入れて、高く売るか」は、どんな商売においても根本。利益を生み出していない資産の売却、利益を生む可能性のある事業への積極的投資。

「沢山の手元キャッシュや利益を生み出していない資産をお持ちのようだがこれを今後の事業にどのように活用していく計画なのか。」

 

 

流星ワゴン(読書43)

重松清 

講談社

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これは何年も前にテレビドラマの原作にもなった本です。

テレビドラマと本では大きな流れは一緒ですが、違う箇所も多かったです。しかし両方良く出来ており、テレビでは役者の演技力が素晴らしく、毎週楽しみにしていました。(特にちゅうさんを演じる香川照幸が印象に残っています。)当たり前ですが、本の方はテレビ以上に素晴らしく、今回は2回目の読書になりますが、号泣して読んでいました。

家庭も仕事も悲惨な状況であるサラリーマンの主人公が、仲が悪くなってしまった半分幽霊の父親と一緒に、完全幽霊の橋本親子が運転する車(オデッセイ)の乗って、主人公の運命の分かれ道みたいな場面にタイムスリップしながら、主人公がかつて見えなかった親の愛、子供の気持ち、奥さんの本性?みたいな事に気づいていく物語です。

自分も子供を持って初めて、親の凄さ、思い、を感じたりしますが、子供の時には親の自分に対する理不尽さを随分感じました。そういった感情をこの本はうまく物語にしています。